くそみそたのてきと~がたりー本とか映画とか

本とか映画とかについて語るブログ

ものすごく痛い読書体験だった。~ナイルパーチの女子会~

柚木麻子先生はツイッターでフォローしていて、彼女のユーモアたっぷりのツイートを楽しんでいた。そして図書館で柚木先生のこの本を見つけ、わくわくしながら読んでみるとものすごく痛い読書体験をしてしまった。なんか一回ツイッターで話題になった「オリオン街」という漫画の一話を読んだときに似ている。ものすごく痛いのだ。面白かったが、とにかく読んでると心を刺されまくった。ものすごく痛い読書体験だった。内容を軽く言うと、世田谷育ちのバリキャリ女子がとあるブログにはまり、そのブログ主と実生活でたまたま出会い、仲良くなるというもの。この設定とかはまあよくある?ガールミーツガール、ダブルヒロインものという感じがしてくる。推しが近くに住んでいるのもフィクションとしては変じゃない。とりあえず、最初の方は女友達がいなくて悩むバリキャリ女子で、共感を結構しながら読んでいたが、どんどん雲行きが怪しくなってきて、ひえっとなった。主人公の女友達への憧れが半端ないせいで、友情が執着に変わっていく過程が恐ろしいのだ。マジで。これ根っからの陽!って感じの人は分からないと思うが、自分のようにジメジメした人間にはこのジメジメした、気持ち悪い執着心が結構分かり、共感性羞恥的なものがすごかった。主人公を見るのはものすごく痛かったが、自省も含めて読みきった。意外とあんなにエグい話だったのに、最後はかなりきれいに終わり、読後感も悪くない。ものすごく「痛い」小説だったが「友情とは?」みたいなことをマジで考えさせてくれる良作だった。