くそみそたのてきと~がたりー本とか映画とか

本とか映画とかについて語るブログ

1.女と女の爽快逃走劇~「テルマ&ルイーズ」~

名作を見てみようと思って見てみたら想像の100倍くらい最高だし、爽快だった。カーリー・クーリ脚本で、「ハンニバル」(DVDのケースに書いてあった)や「最後の決闘裁判」とかその他諸々で有名なリドリースコットが監督を務め、そのほかにおしりがきゅっと上がってる(今も上がってるかも)えらいキュートでセクシーな若いブラピが出てくる。主演の二人の女優は両方とも知らなかったがものすごく演技が上手い。特にルイーズの困惑する演技とかの表情作りがものすごく良かった。あと出てくる男の中でいちばんまともなハル刑事もあのえらく優しい、人柄の良さがにじみ出る演技良かった。最近良作だと思えても名作とまでは思える映画を見なかったから、これを見終わった後すごく気持ちよくなれた。

※ここからネタバレ注意

で、本題だが感想としては、まずあのラストが素晴らしい!!ということだ。テルマもルイーズも時々衝突がありながらも、二人とも己の道程を最終的に後悔してない。そして空を飛んだ。ハッピーエンドとは言い難いがーいや、どうなのだろう?ー二人が選択した道を突っ走ったのだ。普通は後味が悪くなるだろうに、全然さっぱりする。素晴らしい。だが二人が飛び出す前のハルのセリフがかなり切なさを醸し出しているが、、、あの二人は被害者だと分かっている人がいて良かった、のだろうか、、、もう少し早ければ、、、

またこの映画は性暴力をテーマにしているが、きちんと性暴力と気持ちいい、良い同意のあるセックスを別物として描いている。(ちなみに後者の方の場面にJDというちんけなコソ泥(ブラピ)が出てくるのだが彼のやった唯一のいいことはテルマに気持ちのいいセックスと筋肉がついているセクシーな体を提供したことである。)それに性暴力は被害者のせいにされやすいうえに、加害者に対して法律は甘いということも描いている。もし観客のなかでテルマがきっかけでこうなったという人がいれば主旨を全く理解してないかずっと寝てたかのどっちかだ。100%あの男が悪い。もちろん二人のその後の犯罪はちょっとやりすぎかな、とは思う。特にトランクの警察官のシーンは可哀そうで笑った。まあけどセクハラしてくるどうしようもない男のトラックを撃つのとか、実際にしたらアウトだがめちゃくちゃスカッとする。こういう現実ではできないことができるのはフィクションのいいところである。

キャラクターの作り方も良かった。まずテルマ。多分元々社交的だったのが旦那のせいで閉塞的に暮らしていて控えめになったが、徐々に逞しくなる。会ったばかりのJDを部屋に置いたりメキシコへ行くことを喋ったのは結構うわあ、、と思ったが、割と切り替えが早く、強盗するあたり機転がいいのでそこまでいらっとしなかった。もちろんいくら態度が丁寧でも強盗は絶対にダメだが。次にルイーズ。煙草を吹かす姿やドライブする姿がかっこいい。JDに金盗まれた時悲しみ泣き出すあたりで彼女がただ逞しいだけでなく弱い部分があるということを示していて良い。可愛いとすら思った。私だったらテルマを責めまくって憤死してしまうかもしれない。テルマと衝突しあいながらも良きバディとして絆を深めていく過程が良い。あと二人が衝突してもあまり引きずらない感じが良かった。それにファッションもめっちゃ好み。あと男陣。まずジミーが優しかった。机のものをなぎ倒すのは良くないけど笑。浮気されてると思ったのにプロポーズに来る当たり、なんか可愛かった。あとブラピ、じゃなくJD。どーしよーもねーやつだけど小物感があったし、こ憎たらしいにとどまっていた。可愛い顔も作用している。可愛い顔はほんとに得である。レズビアンである自分もJDだったら中に入れたいな、と思う。誰があの雨に濡れているカーボーイハットのブラピを拒めるだろうか。まあ部屋に一人っきりにはしないけど。特筆すべきはハル刑事だ。最後まで優しい人だった。一回部屋に行くみたいな場面はあれは何だったのか?もう一回ちゃんと見てみよう。

 

最後に訂正しておく。

これは名作ではない。傑作だ。